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子育てのイライラ、怒り、罪悪感…マイナス感情への上手な向き合い方

はじめに

子育ては喜びに満ちた経験ですが、同時に多くのストレスや困難も伴います。特に、子どもの行動に対してイライラしたり、腹立たしく感じたりするマイナスの感情を抱くことが少なくありません。しかし、そうした感情を否定することなく、上手に対処することが大切なのです。今回は、子育てにおけるマイナスの感情への向き合い方についてお伝えします。

子育てにおけるマイナスの感情

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子育ての現場では、親がストレスや疲労からマイナスの感情を抱えることが珍しくありません。子どもの行動が期待と異なったり、思うようにコントロールできなかったりすると、イライラや怒りなどの感情が生まれるのです。

子育てにおいて、親が子どもにイライラしたり、怒りを覚えたりすることは日常茶飯事です。研究によると、母親の約6割、父親の約5割がイライラや怒りを経験しているそうです。子どもの行動が思い通りにならないことから、そうした感情が生まれるのだと考えられています。

しかし、子どもは大人の期待どおりに振る舞うことはできません。むしろ、子どもの行動を受け入れることが大切なのです。専門家は、子どもに対するイライラや怒りは自然なものだと指摘しています。決して珍しいことではないのです。

働く母親を中心に、子育てに伴う様々なマイナス感情が見られます。6割以上の母が「罪悪感」を、4割が「劣等感」を感じているそうです。特に、仕事と育児の両立に伴う「罪悪感」が強く、自身の頑張りを誇りに思えない現状があります。

また、主婦との比較から、自分が劣っているという「劣等感」を抱く母親も少なくありません。さらに、子育てや働き方に対する「不安感」、自身の心身の健康状態への不安も高いことが分かっています。

感情割合
罪悪感6割以上
劣等感4割
つらさ7割以上

コロナ禍の影響もあり、子育て家庭の孤立化が進んでいます。特に未就園児の母親は、情報源が乏しく、子育てに関する不安を強く感じているようです。「子供のことでどうしたら良いかわからなくなる」、「子供が将来うまく育っていくかどうか心配になる」といった不安を抱えていることが分かっています。

このような孤立感や不安感は、母親のストレスを高め、ネガティブな感情を生みやすくしてしまいます。子育てに対する親の不安を解消し、適切な情報を提供することが求められています。

マイナス感情への上手な対処法

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子育てにおけるマイナスの感情は避けられないものですが、適切に対処することで、親子関係を損なうことなく乗り越えられます。ここでは、マイナス感情への上手な対処法をいくつか紹介します。

まずは、自分のマイナスの感情を否定せず、受け入れることが大切です。専門家は、それらの感情を肯定的に捉え、自分の感情に寄り添うことで、自己肯定感が高まると指摘しています。自分を責めるのではなく、イライラや怒りを感じても構わないのです。

子どもの感情を受け入れることも重要です。子どもの感情を聴き、認め、尊重することで、子どもは自分の気持ちを受け入れられたと感じられます。このように、お互いの感情を受け止める姿勢が、良好な親子関係につながります。

感情を受け入れた上で、次はそれをコントロールする力を身につけることが大切です。感情に支配されすぎると、子どもへの暴言や体罰につながりかねません。そうならないためにも、自分の感情とうまく付き合う方法を学ぶ必要があります。

具体的には、「自分を疑う」テクニックが有効です。感情に流されて「失敗するに違いない」と思い込む前に、「この考えは本当なのか?」と自問することで、客観的に物事を捉えられるようになります。論理的に考えることで、ネガティブな思考から抜け出せるのです。

睡眠不足やストレスから、マイナス思考になりがちです。そのため、無理にポジティブにならずに、「ネガティブでない時間」を作ることが大切です。趣味や好きなことに没頭したり、夫婦で話し合って心の余裕を持てるよう工夫したりするなど、自分なりの方法を見つけることが重要です。

また、子育ての合間に、親が気分転換できる時間を設けることも、マイナスの感情への対処に役立ちます。子育ては大変ですが、その中で自分のリフレッシュの時間を確保することが大切なのです。

子どもの感情への向き合い方

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マイナスの感情には、親だけでなく子ども自身もさまざまな形で向き合っています。子どもが感情をうまく表現できるよう、親がどのようにサポートすべきか、ここでは幾つかのアプローチ方法を見ていきましょう。

まず、子どもが自分の感情に気づけるよう、感情語を増やすことが大切です。「楽しい」「嬉しい」といったポジティブな感情語から始め、徐々に「怒った」「悲しい」などのネガティブな語彙も増やしていきます。感情語を覚えることで、子ども自身が自分の内面と向き合えるようになるのです。

特に発達障害のある子どもは、感情の理解が難しい傾向にあります。そのため、具体的な質問をしたり、感情を言語化する機会を設けたりすることが重要です。感情語を増やすことで、子ども自身が自分の気持ちに気づきやすくなります。

次に、感情表現の練習を行うことで、子どもが自分の気持ちを適切に伝えられるようになります。ポジティブな感情から表現を促し、表情や言葉の調子を使って感情を表す練習をします。徐々にネガティブな感情の表現にも移行していきます。

また、アサーションのトレーニングを取り入れることも効果的です。アサーションとは、自分の気持ちを適切に表現する能力のことです。他者を攻撃したり、自分の権利を主張しすぎたりせずに、丁寧に自分の気持ちを伝える練習を重ねることで、子どもの感情表現力が高まります。

子どもがネガティブ思考になりやすい背景には、脳の扁桃体の発達が関係しています。扁桃体は不安や怒り、恐怖といったネガティブな感情を司る部分です。ポジティブな経験を積み重ね、幸せな記憶を作ることで、子どもはネガティブ感情をコントロールできるようになります。

具体的には、嬉しい・楽しい体験を言語化して記憶に残す練習をします。良い思い出を振り返り、その時の気持ちを思い出すことで、ポジティブな感情が呼び起こされるのです。子どもの可能性を信じ、焦らずに取り組むことが大切です。

まとめ

子育てにおけるマイナスの感情は、誰もが経験するものです。しかし、それらの感情を上手に受け止め、対処することで、良好な親子関係を築くことができます。親が自分の感情を肯定的に捉え、子どもの気持ちを受け入れる姿勢を持つことが何より重要です。

また、子ども自身が感情に向き合い、適切に表現できるようサポートすることも大切な役割です。感情語を増やしたり、表現の練習をしたり、幸せな記憶を作ったりと、様々な取り組みを通して、子どもの感情コントロール力を高めていくことができるでしょう。

子育ては誰もが完璧にできるものではありません。しかし、マイナスの感情と上手に向き合い、乗り越えていくことで、喜びに満ちた子育ての時間を過ごせるはずです。互いの感情を大切にしながら、親子で手を取り合って成長していけることを願っています。

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